ロードバイクのハンドル交換は必要?幅・高さ・角度の決め方と工賃
ロードバイクに慣れてきたころ、手のひらがしびれる、ブラケットが遠い、下ハンドルを握ると首がつらい、といった違和感が出てくることがあります。ハンドル交換を考え始めたものの、幅は何cmにするのか、高さや角度で直せないのかと、迷うところが多いですよね。
私の答えは、ハンドルを買い替える前に、まず高さと角度を動かしてみることです。低く狭くすれば速くなるとは限りませんし、肩幅や体の柔らかさ、走り方に合った位置のほうが、長い距離を気持ちよく走れますよ。
この記事は、シマノとトレックの公式の解説やオーナーズマニュアル、ハンドルメーカーのサイズ表を2026年11月に読み比べて書きました。幅・高さ・角度の決め方から、交換で確かめたい規格と工賃の目安までを扱います。
合う位置は、体格や柔軟性、車体の作りで変わります。この記事の数字は出発点として受け取り、痛みやしびれが続くときは自転車店で見てもらってください。

- ハンドル交換の前に試したい調整の順番と、つらい場所ごとの見直し先
- ハンドルの高さ・角度とブラケットの位置の決め方
- 肩幅から考えるハンドル幅の目安と、製品ごとの幅の表示の違い
- 交換で確かめたい規格と、自分でやるかお店に頼むかの判断・工賃の目安
ロードバイクのハンドル交換の前に見直す順番

ハンドルが合わないと感じると、新しいハンドルを探したくなりませんか。その前に、どこを動かせば直るのかを切り分けるところから始めます。
結論:ハンドル交換は高さと角度を直してから

ハンドル交換は、高さと角度を直しても手や肩のつらさが残るときに考えれば十分です。高さと角度は今のハンドルのまま変えられて、合わなければ元にも戻せますが、幅や形は買い替えないと変わりません。
まずは、今のハンドルで変えられるものと、交換しないと変わらないものを分けておきましょう。
- 今のハンドルのまま変えられる:ハンドルの高さ、ハンドルの角度、ブラケットの位置と向き、ブレーキレバーのリーチ(対応するレバーだけ)
- ステムを替えると変わる:ハンドルまでの前後の距離と、高さの一部
- ハンドルを替えないと変わらない:幅、ハンドルのリーチとドロップ(形)
低いハンドルや狭いハンドルほど速い、という話もよく聞きます。トレックのオーナーズマニュアル(英語版)は、ハンドルが低いほどスピード向き、高いほど快適さとバランス向きと説明する一方で、高さはサドルより数インチ以内の上下を目安にしていました。
シマノの解説も、上ハン・ブラケット・下ハンの3つの握り位置が快適に使えることを最低限の条件にしています。そうでなければ調整か交換、またはバイクフィッターへの相談をすすめていました。
私なら、まず3つの握り位置を順に試して、どこが使いにくいかを書き出します。高さと角度を直しても合わないときに交換を考える、という順番がいちばん無駄が少ないと考えているからです。
手や首がつらいときに見直す場所の早見表

つらさが出る場所から、見直す部分の見当をつけられますよ。原因が1つとは限らないので、表は「先に試すところ」の順番として使ってください。
| 気になること | 先に見直すところ | それでも合わないとき |
|---|---|---|
| 手のひらがしびれる・痛む | ブラケットの角度と高さ(手首がまっすぐか)、ハンドルの高さ | ハンドルの幅、ハンドルの形 |
| ブラケットが遠く、腕が突っ張る | ハンドルの高さ、サドルの前後位置 | 短いステム、ショートリーチのハンドル |
| 下ハンドルが遠くて使えない | ハンドルの角度(起こしすぎていないか)、ブラケットの位置 | 浅いドロップ・ショートリーチのハンドル |
| ブレーキレバーに指が届きにくい | レバーのリーチ調整(対応するレバー)、ブラケットの位置 | レバーの調整や交換を自転車店に相談 |
| 肩や首がこわばる | ハンドルの高さ(低すぎないか) | ハンドルの幅、ステムの長さ |
| 腰が張る | サドルの高さと前後位置 | ハンドルの高さ |
出典:シマノのハンドル位置の解説、トレックのオーナーズマニュアル(2026年11月1日確認)をもとに作成。気になることと見直す場所の組み合わせは、この記事で整理しました。
トレックの日本語のオーナーズマニュアル(バイクのフィッティング)は、久しぶりに乗る人は慣れるまで時間がかかるのが普通としたうえで、そのあとは痛みや痺れが出ずに走れるべきだと書いています。
慣れても同じ場所がつらいなら、位置やサイズを見直す合図と考えてよさそうです。長い距離を走る日は同じ姿勢の時間が延びるので、小さなずれでも手や首に出やすくなるかも。
100kmを目指すときの準備や走り方は、ロードバイクで100km走るための準備と走り方にまとめました。
前乗りで遠いハンドルを補うデメリット

「前乗り」は、サドルの前寄りに座ったり、サドルそのものを前に出したりして、体を前に置く乗り方です。ハンドルが遠いときに、サドルを前に出せば届くのでは、と考える人もいるかもしれません。
ただ、トレックのオーナーズマニュアル(英語版)は、サドルを前後に動かすとハンドルまでの距離だけでなく体重のかかり方も変わると注意しています。股関節の角度も変わるので、腰の負担が増えることもあるそうです。
Yahoo!知恵袋で2023年に前乗りか後ろ乗りかをたずねた質問にも、上りや強度が高いときには効くが、ハムストリングやお尻の筋肉を使いにくく初心者向けではない、という回答がありました。状況で使い分ける、という回答も並んでいます。
膝とペダルの軸をそろえるサドル位置の目安も、ジャイアントの解説では調整の出発点という扱いで、絶対の基準ではありません。
私は、遠いハンドルをサドルで補うやり方はおすすめしません。サドルはペダルを回しやすい位置で決めて、ハンドルまでの距離はステムやハンドルの側で合わせたほうが、ほかの部分を崩さずに済みます。
上りでのペダリングやケイデンスの基本は、ロードバイクのトレーニング入門(ケイデンスと坂の基本)で詳しく書きました。
ハンドルの高さと角度の決め方

高さと角度は、今のハンドルのままで変えられる部分です。動かせる範囲は車体ごとに決まっているので、仕組みと目安を先に押さえておきましょう。
高さはスペーサーの入れ替えで上げ下げする

いまのロードバイクに多いアヘッドステムでは、ステムの上下に重ねたコラムスペーサーを入れ替えて、ハンドルの高さを変えます。下のスペーサーを上へ移せばハンドルが下がり、上のスペーサーを下へ移せば上がる仕組みです。
ただ、いくらでも上げられるわけではありません。コラム(フォークの柱)の長さより上には上げられませんし、ステムの角度や長さを替える、ステムを上下逆に付けるといった方法も、できるかどうかは製品と車体しだいです。
トレックのオーナーズマニュアルにあるステムまわりの決まり
- ボルトは、ステムの種類ごとの指定トルク(ふつうはステムに書いてある値)で締める
- アヘッドステムは、ステムの下に5mm以上のスペーサーを必ず1枚入れる
- カーボン製のコラムでは、ステムの上にもスペーサーを1枚入れる
- ステムやコラムにグリスや組立用のペーストを塗らない
トレックの車体での決まりです。ほかのメーカーは、その車体の説明書で確かめてください。出典:トレック オーナーズマニュアル(ステム)(2026年11月1日確認)
古い車体に付いているクイルステムは仕組みが違い、フォークのコラムに差し込む深さで高さを変えます。差し込みの限界を示す線がフレームの外に出ない範囲までなので、ここでも上げられる量に上限があるわけです。
ロードを3台持つ人の個人ブログ(Cycle TV、2026年1月)では、5mmのコラムスペーサーを1枚抜いてハンドルを下げ、抜いた分は円形のスペーサーをステムの上に足していました。純正の形の違うスペーサーはステムの上に付けられなかったそうです。
同じブログでは、一体型ハンドルの車体はハンドル位置の自由度が低いとも書かれていました。専用の部品を使う車体ほど、こうした制約が出やすくなります。
動かす量は5mmずつくらいにとどめて、1回ずつ乗って確かめるのが私のおすすめです。いきなり大きく変えると、どの変化が効いたのか分からなくなってしまいますからね。
スペーサーの入れ替えは、ステムのボルトをゆるめて抜き差しし、ヘッドのガタを取ってから締め直す作業です。締め付けが足りなくても締めすぎても危ない部分なので、指定トルクで締められる工具がなければ、お店に任せましょう。
工具をそろえるなら、ロードバイク用トルクレンチの選び方も参考にしてみてください。
角度は3つの握り位置が使えるかで決める

ハンドルの角度は、ステムのクランプをゆるめてハンドルを回すと変わります。上向きに起こす調整を「しゃくる」、下向きに倒す調整を「送る」と呼ぶことが多いですね。
起こすとブラケットが近く高くなる一方で、下ハンドルは遠くなります。どの角度が正解かは、ハンドルの形と乗る人で変わるので、ひとつの角度を決め打ちしにくいところです。
Yahoo!知恵袋では2025年8月に、ロードを始めたばかりの人が写真つきで適正な角度をたずねていました。ハンドルを前に倒してブラケットを後ろにずらす案、乗っている姿を見てもらうべきという案、上ハンを水平にする案と、回答は分かれていました。
そこで物差しにしたいのが、シマノのハンドル位置の解説(英語)が挙げる3つの握り位置です。上ハン、ブラケット、下ハンのどれもが無理なく握れて、ブラケットと下ハンのどちらからもブレーキに指が届くかを見ます。
シマノは、下ハンをほとんど使っていないなら設定に問題があるかもしれない、とも書いていました。
私なら、まず下ハンを握ってブレーキに指をかけ、手首が無理に折れていないかを見ます。下ハンが遠いなら少し倒し、ブラケットが遠いなら角度より先に高さとブラケット位置を疑う、という順番が失敗しにくいかなと思います。
角度を変えたあとは、ハンドルを左右いっぱいに切って、ワイヤーやホースが突っ張らないかも確かめてください。
ブラケットの角度とレバーの届きは別に合わせる

よくあるのが、ブラケットが低くて遠いのを、ハンドルを起こして近づけてしまうやり方です。シマノの解説は、これだと下ハンが遠くなって使いにくくなると指摘しています。バーテープを巻き直すことになっても、ブラケットの位置そのものを直すほうがよい、という考え方でした。
ハンドルの角度を先に決めて、ブラケットの位置はそのあとで合わせます。片方を直すためにもう片方を動かすと、別の場所がずれてしまうからです。
ブラケットは、上下の取り付け位置を変えるほか、内側へ少しひねる合わせ方もあるんですよ。乗ってみて手のひらが圧迫される場所を確かめ、それが減る向きを探しながら、手首がまっすぐに近い角度を目指しましょう。
ブレーキに指が届きにくいときは、レバーのリーチ調整も使えます。シマノのリーチアジャストに対応したレバーなら、ボルトを回して、ハンドルからレバーまでの距離を手の大きさに合わせられます。
シマノの解説では、人差し指の第一関節がレバーに届く位置を出発点にしていました。合わせるのは、幅とブラケット位置を決めたあとです。
レバーを留めるボルトにも指定トルクがあります。たとえばシマノのST-R4020(TIAGRA)の説明書では6〜8N·mですが、これはこのレバーの値。カーボンハンドルの側にも上限があります。お手元のレバーとハンドルの型番で、両方の数字を確かめてください。
ブラケットを動かすと、たいていバーテープの巻き直しが必要になります。はがしたテープを使い回すか新しくするかは状態しだいですが、新しいものを1本用意しておけば、作業の途中で慌てずに済みます。
たとえばPROのPeaked Sport(厚さ2.5mm)のように、今のテープと厚みが近いものを選ぶと、握った感じが変わりにくいですよ。
ハンドル幅と形は肩幅と柔軟性で選ぶ

幅とハンドルの形は、今のハンドルのままでは変えられません。買い替えを考える前に、自分の肩幅と今のハンドルの数字を、同じ測り方でそろえてみませんか。
肩幅の測り方とハンドル幅の目安

幅の目安は、メーカーの解説では肩幅です。シマノはハンドル幅を肩幅に合わせるのを基本にして、ロードなら少し狭め、グラベルなら安定と操作性のために広め、と説明しています。極端に広いハンドルは肩の動きを妨げて、操作しにくくなるとも書いていました。
アメリカのハンドルメーカーENVEは、肩の骨のいちばん上の出っ張り(肩峰)の幅を出発点にして、慣れや用途に合わせて1サイズ上下させる考え方でした。肩幅は自分では測りにくいので、左右の肩峰のあいだを誰かにメジャーで測ってもらうと確実です。
今のハンドルの幅は、ブラケットのあたりで、左右のパイプの中心から中心まで(芯〜芯)を測ります。肩幅とこの数字を並べてみると、広すぎるのか狭すぎるのかが見えてきますよ。
Yahoo!知恵袋には2023年10月、400mm幅のハンドルを使っていて、お店で380mmをすすめられた人が、2cmの違いで変わるのかを質問していました。
回答には、380mmに替えたら肩幅に合って腕の位置を保ちやすくなった、という声がありました。狭くした分ブラケットが体に近づいたので、ステムを10mm長くした、という回答も付いていました。幅を変えると、前後の距離まで動くわけです。
ENVEは、狭いサイズを選ぶと空力の面で有利になるとしています。ただ、上ハン280mmという極端に狭いハンドルを使う人の個人ブログ(ペダルパワー、2025年11月)には、上りでバイクを振りにくく、下りやコーナーでも不利だと書かれていました。
私は、空気抵抗のためだけに肩幅から大きく狭めるのはすすめません。肩幅に近い幅を基準にして、狭くするなら1サイズ(2cm)ずつ、下りやコーナーで扱いにくくならないかを確かめながらがいいと思います。
同じ40cmでも製品で幅の表示が違う

ハンドル幅は「40cm」「420mm」のように1つの数字で書かれますが、どこで測った数字かは製品によって違います。ENVEは幅をブラケット部の数字で表していて、下ハン部の広がり方はモデルごとに違う、と説明していました。
| ENVEのモデル | 主な用途 | 表示の幅(ブラケット部) | 下ハン部の幅(例) |
|---|---|---|---|
| ENVE Road(コンパクト・トラディショナル) | ロード | 38・40・42・44・46cm | 40cm → 42cm(片側1cmずつ広い) |
| SES AR | ロード(未舗装路も走るなら大きめを推奨) | 38・40・42・44cm | 40cm → 約45cm(片側2.35cmずつ広い) |
| G Series | グラベル | 42・44・46・48cm | 42cm → 54cm(片側6cmずつ広い) |
出典:ENVE「How to Pick the Right ENVE Carbon Road Handlebar」(2026年11月1日確認)をもとに作成。海外向けの説明で、日本での取り扱いと価格は確かめていません。
同じ「40cm」でも、下ハン部が42cmのモデルと約45cmのモデルがあるわけです。ENVE自身も、汎用のサイズ表とモデル別の表は一致しないことがあるので、モデルごとの表を見るようにと書いていました。
今のハンドルと比べるときは、ブラケット部の芯〜芯どうし、下ハン部どうしで数字をそろえるのがいちばん確実です。メーカーの表に測る場所が書かれていないときは、販売店にたずねてから選ぶほうが確実かもしれません。
リーチとドロップは柔軟性に合わせて選ぶ

ハンドルの形は、リーチとドロップの2つの数字で見ます。リーチはステムに留める中央部から前へ伸びて曲がり始めるまでの長さ、ドロップは中央部から下ハンのいちばん低いところまでの深さです。
シマノの解説によると、リーチが長くドロップが深い形は空気抵抗の面で有利な一方、その姿勢をとれるだけの柔軟性が要るとのことでした。この10年でドロップは浅くなる流れにあり、140mmから120mm、さらに110mmの製品も出てきました。
シマノは、プロや上級者でなければ、昔ながらの長いリーチと深いドロップの形は合わない可能性が高い、とまで書いています。
ブラケットまでの距離は、ハンドルのリーチだけでなく、ステムの長さでも変わります。ハンドルのリーチはステムの長さや車体の寸法とは別の数字なので、比べるときに混ぜないようにしましょう。
全体に遠いならステム、下ハンだけが遠くて使えないなら浅いドロップかショートリーチのハンドル、と分けて考えると、替える部品がはっきりします。
素材をカーボンにすると軽くなる、という話もあります。ただ、広島県福山市のスポーツバイク店サイクルハウスケンズのブログ(2026年2月)では、同じくらいの幅で比べたボントレガーのアルミハンドルとトップグレードのカーボンハンドルの差は、43gだったと紹介されていました。
ポジションのための交換なら、素材より先に幅・リーチ・ドロップの数字を合わせたいところです。候補を見比べるなら、ワイズロードの通販サイト
のハンドルバーの一覧から型番を控え、メーカーのサイズ表と照らし合わせると選び間違いが減りますよ。
交換するなら規格と工賃を先に確かめる

調整を一通り試しても合わないときは、いよいよ交換の出番です。新しいハンドルが付くかどうかの確かめ方と、作業を誰に任せるかを見ていきます。
内装・油圧・一体型で変わる交換の難しさ

新しいハンドルを選ぶ前に、今の車体について次の5つを確かめておきましょう。買ったのに付かない、という失敗を防げます。
- クランプ径:ハンドルとステムが留まる部分の太さ。ENVEのCompact Road IN-Routeなら31.8mmで、ステム側の数字とそろうかを見る
- レバーの型番:取り付けの指定トルクを、型番ごとの説明書で確かめる
- ワイヤーとホースの長さ:幅が広くなったり形が変わったりすると、足りなくなることがある
- 内装かどうか:ハンドルの中にケーブルを通す製品か
- 一体型かどうか:ハンドルとステムがひとつになった専用品か
幅を変えるとレバーの位置が左右に動きます。400mmから420mm(芯〜芯)に替えようとした人の個人ブログ(えふえふぶろぐ、2017年)では、レバーが片側10mmずつ外に出るので、ケーブルの長さが足りなくなるおそれがあると注意していました。
エアロハンドルのような内装の製品は、手間が一段増えます。Yahoo!知恵袋の2024年8月の質問では、ロードを始めて数か月の人がエアロハンドルへの交換を相談していました。
ベストアンサーは、ステム径が合えば基本は付くが、いちばん大変なのはケーブルを中に通す作業、という回答です。製品によっては、何時間もかかりかねないとも書かれていました。
油圧ディスクブレーキの車体は、ホースの長さが足りなければ、機種ごとの整備手順に沿った油圧系の作業が要ります。SRAMの整備マニュアルも、レバーを付けたあとにホースの長さに余裕があるかを確かめる手順を入れていて、ここはお店に任せたい部分です。
ハンドルとステムが一体の製品は、スペーサーやケーブルの通り道まで専用で、取扱説明書の手順どおりに組まなければいけません。位置を細かく変えにくいので、試しながら合わせたい人には向きにくいかもしれません。
中古の車体や、付け替える部品が古い場合は、リコールの対象でないかも見ておきたいところです。2022年にはトレックがAeolus RSL VR-Cのハンドル・ステムを、2023年にはシマノがPRO Vibeのアルミステムを、割れのおそれで交換すると米国などで発表しました。
エアロハンドルの平らな上ハンに替えると、丸いパイプ用のスマホホルダーやライトの台座が、そのまま付けられるか分からなくなります。ホルダーの付け方はロードバイクのスマホの固定方法の選び方で比べました。
調整や交換のあと、乗らずにお店で見てもらいたいサイン
- ハンドルを左右いっぱいに切ると、ワイヤーやホースが突っ張る・引っかかる
- ブレーキの効き方や変速の動きが、作業の前と変わった
- ハンドルやステムが、手で押すと動く・ずれる
- カーボンのハンドルやコラムに、傷や割れのような跡がある
トレックのオーナーズマニュアルも、ステムの調整や締め付けが不十分だと操作できなくなるおそれがあると警告していました。
自分で交換するかお店に頼むかと工賃の目安

ハンドル交換は、バーテープをはがしてレバーを外し、ハンドルを付け替えて、センターと角度とレバー位置を合わせ、ケーブルを通し直してテープを巻く、という流れです。手順を写真つきで紹介する記事もありますが、どの工程もハンドルまわりの安全に直結します。
次のどれかに当てはまるなら、私はお店に任せるほうをすすめますね。
- 油圧ディスクブレーキで、ホースの長さが変わりそう
- ケーブルがハンドルやフレームの中を通る内装
- ハンドルとステムが一体型
- カーボンのハンドルやコラム
- 指定トルクで締められる工具を持っていない
トレックの2023年版のオーナーズマニュアルも、ステムの調整は販売店に任せるよう案内していました。
お店に頼むときの工賃は、店と作業の中身で変わります。目安として、サイクルベースあさひの工賃表を2026年11月1日に見たときは、ロードのドロップハンドル交換が7,700円、バーテープの巻き付け・交換が4,400円、ドロップハンドル車のステム交換が7,700円でした(いずれも税込・部品代は別)。
同じ表には、ワイヤー交換が要る場合はその工賃が加わるとも書かれています。幅が広くなる交換や内装の製品では、ケーブル代と作業がさらに増えると見込んでおきましょう。最新の金額は、作業を頼む店で確かめてください。
ハンドルやステムを通販で選んで、取り付けはお店に任せたい人には、ワイズロードオンライン
が使いやすいですよ。オンラインで買ったパーツを、ワイズロードの店舗で取り付けてもらえるサービスがあります。
2026年11月1日に確かめた内容では、電話で予約して車体と部品を持ち込む流れで、バーテープ交換の工賃は4,400円から(税込)となっていました。他社で買った部品の取り付けは工賃が倍額になり、店舗での受け取りは一時停止中なので、部品は配送で受け取ってから持ち込みます。
品ぞろえを見ると、ロードバイク用のハンドルバーが143件、ステムが128件、バーテープが369件ありました(2026年11月1日時点)。幅と形の数字を決めてから探せば、候補をかなり絞り込めます。
よその店で買った車体でも受け付けてもらえるかは、気になるところかもしれません。Yahoo!知恵袋の2022年1月の質問には、工賃を払えば付けてもらえるが、作業は順番待ちや預かりになることがある、という回答が寄せられていました。
予約のときに、仕上がりまでの日数も聞いておくと予定を立てやすいですね。
どの幅やステムが合うのか自分で決めきれないときは、部品を買う前にお店でポジションを見てもらうのも手です。シマノの解説も、3つの握り位置が快適に使えないときの相談先に、バイクフィッターを挙げていました。
部品だけ先に買うより、取り付けを頼む店に適合を見てもらってから注文したほうが、付かない・足りないを避けやすくなります。
新しいハンドルを注文する前のメモ
- 今のハンドルの幅(ブラケット部の芯〜芯)、リーチ、ドロップ
- ステムのクランプ径と長さ、ステムの下と上のスペーサーの枚数
- ブレーキ・変速レバーの型番と、ワイヤー式か油圧式か
- サドルの高さと、サドルからハンドルまでの高さの差
ハンドルの調整と交換のよくある質問

ハンドルを狭くすると速くなりますか?
ENVEは狭いサイズほど空力の面で有利としていますが、シマノとENVEのどちらも、幅の出発点は肩幅です。速さより先に、下りやコーナーで扱いやすいかを確かめながら、1サイズずつ試すのがおすすめです。
ハンドルの高さは、サドルからどれくらい下げればいいですか?
決まった数字はありません。トレックはハンドルをサドルより数インチ以内の上下に置くことを目安にしていて、低いほど速さ向き、高いほど快適さとバランス向きと説明しています。5mmずつ動かして、首や手がつらくない位置を探してください。
ハンドル交換で、ワイヤーやホースも替える必要がありますか?
幅が広くなる、内装のハンドルに替える、形が大きく変わる、といった場合は長さが足りなくなることがあります。交換したら左右いっぱいにハンドルを切って、突っ張りや引っかかりがないかを確かめましょう。油圧ブレーキのホースは機種ごとの手順があるので、お店に相談するのが確実です。
前乗りにすると、ハンドルが近くなってラクになりますか?
距離は近くなりますが、トレックによると体重のかかり方や股関節の角度も変わり、腰の負担が増えることもあります。サドルはペダルを回しやすい位置で決め、ハンドルまでの距離はステムやハンドルの側で合わせるほうが、ほかの部分を崩しにくいです。
まとめ:ロードバイクのハンドル交換は調整のあとで

ロードバイクのハンドルは、低く狭くすれば速くなるとは限りません。肩幅や体の柔らかさ、走り方に合わせて、3つの握り位置が無理なく使える位置を優先するのが、長く気持ちよく走れるコツだと私は考えています。
順番は、サドルの位置を確かめてから、ハンドルの高さ、角度、ブラケットの位置へと進みます。それでも合わないときに、幅やリーチ・ドロップ、ステムの長さを変える交換を考えると、無駄な買い替えを減らせるのではないでしょうか。
まずは今のハンドルのブラケット部の幅と、サドルとハンドルの高さの差をメジャーで測って、メモしてみてください。数字が手元にあると、調整でも交換でも、次に何を変えるかを決めやすくなりますよ。
