ロードバイクのディスクブレーキ音鳴り|キー・シューの原因と対処法
止まるたびに前輪から「キー」と高い音が出たり、ブレーキをかけていないのに「シュー」と擦れる音が続いたりすると、どこか壊れたのではと心配になりますよね。ディスクブレーキのロードバイクでは、一度はこの音鳴りに出くわす人が多いと思います。
先に答えを言うと、鳴る理由は1つではありません。雨の水分のように乾けば消えるものもあれば、パッドの摩耗やオイル漏れのように、乗るのをやめたほうがいいものもあります。見分けるときに頼りになるのは、音の大きさより、ブレーキの効きと鳴るタイミングです。
この記事では、シマノとSRAMの取扱説明書や公式の解説、警察庁の資料を2026年10月31日に確かめて、音の見分け方からお店に任せる目安までをまとめました。
キャリパーの位置合わせやパッドの交換は、慣れていなければお店に任せたほうが安全だと私は考えています。自分で手を入れるのは、メーカーが認めている範囲の掃除と慣らしまでにしておくのがおすすめです。

- 音が鳴るタイミングと音の種類から考えられる原因
- 鳴っていても乗っていいかを決めるブレーキの効きの見方
- シマノとSRAMで違う掃除のしかたと鳴き止めスプレーの扱い
- パッドとローターの交換時期とお店に任せたい作業
ロードバイクのディスクブレーキが音鳴りする原因

ディスクブレーキは、ホイールと一緒に回るローターを、パッドが両側から挟んで止める仕組み。挟む面に水や油が入ったり、当たり方が変わったりすると、それが音になって出てくるんです。
音鳴りの原因は汚れ・慣らし不足・摩耗・ずれ

ロードバイクのディスクブレーキが鳴る原因は、主に「汚れ」「慣らし不足」「摩耗」「ずれ」の4つです。パッドとローターがうまく噛み合っていないか、ブレーキをかけていないのに当たっているか。そのどちらかが音になって表に出ているんですね。
汚れには、雨や泥のように乾けば落ちるものと、チェーンオイルやブレーキのオイルのように効きまで落とすものがあります。慣らし不足は新しいパッドやローターで起きやすく、摩耗は長く使ったパッドで起きるもの。ずれは、ホイールの付け外しやローターの曲がりがきっかけになります。
原因ごとに、自分で見るところと、お店に任せたい状態を表にしました。
| 原因 | 起きやすい場面 | 出やすい音・症状 | まず自分で見ること | お店に任せたい状態 |
|---|---|---|---|---|
| 水分・泥 | 雨の日、洗車のあと | かけるとキーと鳴り、乾くと静かになる | 乾いたあとも鳴るか | 乾いても続く、効きが弱い |
| 油の付着 | 注油のあと、オイルのにじみ | 強く鳴る、効きが落ちる | 注油した直後か、キャリパーの周りに油がないか | 効きが落ちた、油が見える |
| 慣らし不足 | 新車、パッドやローターの交換直後 | かけると鳴る、止まりにくい | マニュアルどおりの慣らしをしたか | 慣らしても鳴る、効きが弱いまま |
| 摩耗 | 長く使ったパッド | 金属が擦れるような音 | 見える範囲でのパッドの残り | 残りが分からない、金属音がする |
| ずれ・曲がり | ホイールの付け外しのあと、ぶつけたあと | かけていないのにシュッシュッと擦れる | ブレーキをかけずに回したときに擦るか | 擦れが消えない、回りが重い、曲がりが見える |
出典:シマノのユーザーマニュアル(UM-0MX0B-000・UM-2RC0A-001)、シマノ公式サイトの点検記事、SRAM「Disc Brake Troubleshooting」をもとに作成(2026年10月31日確認)。音と原因は1対1では決まらないので、目安として使ってください。
私がまず見るのは、音の種類より「いつ鳴るか」です。雨のあとだけなのか、交換した直後からなのか、ブレーキをかけていないときなのか。音の聞こえ方だけで原因を決めつけず、鳴るタイミングとブレーキの効きをセットで見るのが、遠回りに見えていちばん確実なんですよ。
鳴っていても乗っていいかは効きで決める

鳴っていても、ブレーキの効きがいつもどおりで、雨のあとや交換直後のようにはっきりした理由があるなら、すぐに危ないとは限りません。逆に、効きが落ちている、レバーの感触がおかしい、というときは音が小さくても乗るのをやめます。
シマノのユーザーマニュアルでも、乗る前の点検の項目に「ふだんと異なる音はしませんか。」とあり、異常があれば販売店か代理店に相談するよう書かれています。音そのものより、いつもと違うことに気づけるかが大事なんですね。
乗るのをやめてお店に相談したいサイン
- ブレーキの効きがいつもより弱い、止まるまでの距離が延びた
- レバーがハンドルに近づくくらい深く入る、握った感触がスポンジのよう
- キャリパーやホースの周り、ローターに油のようなものが付いている
- ブレーキをかけると金属が擦れるような音がする
- ローターに割れや、目で見て分かる曲がりがある
- ブレーキをかけていないのに強く擦れて、ホイールの回りが重い
効きを確かめるなら、車や人のいない平らな場所で、歩くくらいの速さから軽くかけて止まってみる程度にします。下り坂や車道で試すのはやめておきましょう。
ちなみに、効かないブレーキで走るのは安全だけの話ではありません。道路交通法施行規則の第9条の3では、乾いた平らな舗装路で時速10kmからブレーキをかけて、3m以内に止まれる性能が自転車のブレーキの基準になっています。
警察庁の自転車ルールブックによると、2026年4月から16歳以上の自転車の違反に青切符が切られるようになりました。ブレーキが故障した自転車に乗る「自転車制動装置不良」の反則金は5,000円です。
音が鳴るだけで違反になるわけではありません。ただ、効きが落ちたまま走るのは、事故の面でもルールの面でも分が悪いですよね。
キーやシューなど音とタイミングで見分ける

同じ「キー」でも、雨上がりに数回鳴って消えるのと、毎回の停止で鳴り続けるのとでは意味が違います。鳴りはじめた日と、その前にしたことを思い出しながら読んでみてください。
雨や洗車のあとだけ鳴るとき

雨の日や洗車のあとにだけ鳴って、乾くと静かになるなら、ローターに付いた水分や泥が関係している可能性があります。SRAMのトラブルシューティングにも、水や汚れが一時的にローターに付いて音が出ることがある、という説明がありました。
濡れた路面を走ると、タイヤが巻き上げた泥水がローターにもかかります。ブレーキをかけるたびに細かな砂を挟むわけですから、音が出るのも無理はありません。乾いて汚れが落ちれば、そのまま静かに戻ることもあります。
気にしたいのは、乾いたあとも同じ音が続くとき。雨の汚れが残っていたり、洗車のときにチェーン用のケミカルや注油の飛び散りが付いていたりすると、晴れても鳴りやみません。その場合は、このあとの「キーと鳴るとき」の見方に進みます。
屋外に置いていて、朝いちばんの数回だけ鳴るなら、夜露や雨で濡れているのかもしれません。置き場所の工夫はロードバイクの屋外保管の雨とサビ対策でくわしく書いています。
新車やパッド交換の直後なら慣らしから

新しいパッドやローターは、最初から本来の効きが出るわけではありません。表面がなじむまでブレーキを繰り返しかける「慣らし(ベッドイン)」をしないと、音が出たり止まりにくかったりします。新車のブレーキも新品なので、慣らしが済んでいるかは買ったお店に聞くのがいちばん確実ですね。
やり方はメーカーで違い、同じシマノでもマニュアルによって変わります。Di2のデュアルコントロールレバー(油圧ディスクブレーキタイプ)のマニュアルでは、平たんで安全な場所で適度な速度まで加速し、片方のレバーだけで歩く速さまで減速するのを、前後それぞれ最低20回。
油圧式ディスクブレーキ(シマノ低粘度オイル)のマニュアルは、片方のレバーを握ったまま20m走るのを前後それぞれ最低10回。レジンパッドはメタルパッドより多く行う必要がある、とも書かれています。
SRAMのロード・グラベル向けの案内は、中くらいの速さから歩く速さまで強めにかけるのを約20回、さらに速い速度から歩く速さまで強くかけるのを約10回。そのあとブレーキを冷まします。座ったまま行い、タイヤをロックさせないことも注意点に入っています。
回数もやり方もばらばらなので、どれが正解かで迷う必要はありません。自分のブレーキのマニュアルに従えば大丈夫ですよ。強いブレーキを何度もかける作業なので、車や人が来ない場所を選ぶのが前提で、慣らしが進むと効きが上がっていく点にも気をつけます。
ただ、効きが明らかに弱いときや、油が付いた心当たりがあるときに、走りながら慣らしで直そうとするのは危ないですね。2020年10月のYahoo!知恵袋には、買ったばかりのロードバイクのディスクブレーキの音についての質問がありました。
回答は「なじめば消える」「すぐお店で見てもらうべき」と分かれていました。私なら、新車の音はまず買ったお店に聞きます。組み立てたときの状態を知っているのはお店なので、いちばん話が早いはず。
ブレーキをかけるとキーと鳴るとき

ブレーキをかけたときだけキーと鳴り続けるなら、まず疑いたいのはパッドやローターの汚れ、とくに油です。チェーンに注油したときの霧、手の脂、ブレーキのオイルのにじみ。ほんの少しでも摩擦面に付くと、パッドが滑りながら震えて音になります。
シマノのマニュアルにも、ローターとパッドに油脂を付けないようにという注意があります。油が原因の音は、効きの低下と一緒に出ることがあるのがやっかいなところ。音だけでなく、止まるまでの距離にも気を配ってみてください。
ロードバイクの個人ブログ「サイクルガジェット」の2020年11月の体験記では、納車から1か月半ほどで急に鳴き出し、お店で調べてもらうとブレーキのフルードがわずかに漏れていたそうです。初期不良として、メーカーの無償交換で直っています。
個人ブログ「駆けて 遊んで また駆けて」の2022年6月の体験記では、リアだけを強く握ったときに鳴き、効きも大きく落ちていました。書き手は、整備のときにチェーンやスプロケットへ差した油をパッドが吸ったのでは、と見ています。
雨の音と違って、油の音は乾いても消えません。SRAMの案内では、長く続く音はパッドの汚れや、慣らし不足でローターにパッドの層がむらに付いたことが原因になりうるとして、パッドとローターを交換して慣らし直すよう書かれています。
油を吸ったパッドを洗って使い続けられるかは、パッドの材質や汚れ方しだい。ここは自分で決めず、お店に見てもらうところです。効きが落ちているなら、乗らずに持ち込みましょう。
かけていないのに走行中シューと擦れる

ブレーキをかけていないのに、走っているあいだ「シュッ、シュッ」と擦れる音がするなら、ローターとパッドが当たっているのかもしれません。キャリパーの位置のずれ、ローターの曲がり、パッドを押し出すピストンの戻りの悪さ。このあたりが主な候補になります。
シマノの英語版のメンテナンス記事でも、ホイールを回したときに擦れるならローターの曲がりを疑う、という見方が紹介されていました。SRAMは、汚れでピストンが動きにくくなると、パッドが戻りきらずに擦れることがあると説明しています。
ロングライドやブルベを楽しむ40代のロードバイク乗りのブログ「自転車&家つくり日記!」(2020年1月の体験記)では、納車直後に前輪を付けたら、キャリパーから擦れる音がしたそうです。
翌日お店で見てもらうと、キャリパーの位置がほんのわずかにずれて、パッドがローターに当たっていたとのこと。位置を直したあとは擦れる音が消え、ブレーキをかけたときの「フォ~ン」という鳴きも減ったと書かれていました。
この例のように、ホイールを付け外ししたあとから擦り出したなら、その作業が手がかりになります。輪行や配送でホイールを外す機会がある人は、ロードバイクの飛行機輪行と配送の記事にある梱包の注意も役に立つはず。
油圧ブレーキの場合、ホイールを外したままブレーキレバーを握るのは禁物です。シマノのマニュアルには、パッドスペーサーを入れずにレバーを握るとピストンが異常に飛び出す、とあります。こうなると、元に戻すのはひと手間なんですよね。
音の確かめ方は、自転車を安定させてから、ブレーキをかけずにホイールをゆっくり回し、どこで擦るかを耳で聞く程度で十分。回っているローターに指を近づけないこと、走った直後の熱いローターやキャリパーに触らないことは、シマノのマニュアルにもある注意です。
金属が削れるような音は摩耗のサイン

ブレーキをかけたときに、ジャリジャリ、ギーッと金属どうしが擦れるような音がしたら、パッドがかなり減っているかもしれません。シマノ公式サイトのロード・グラベルバイクの点検記事でも、金属の擦れるような音はパッドの交換時期の目安の1つとされています。
パッドの摩擦材が減りきると、土台の金属板がローターに当たります。こうなると効きが落ちるうえに、ローターを傷めることもあるので、気づいた時点で乗るのをやめましょう。
どこまで減ったら交換かは、メーカーで基準が違います。シマノのユーザーマニュアル(UM-0MX0B-000・UM-2RC0A-001)では、パッドの厚みが0.5mm以下、ローターの厚みが1.5mm以下なら使わないことになっています。
UM-2RC0A-001には、ローターのアルミの面が出てきたら使わない、という条件も加わっていました。SRAMのロード・グラベル向けの案内は、摩擦材と裏の金属板を合わせた厚みが3mm未満になったら交換。シマノとは測る場所が違うので、数字だけを覚えておくと取り違えやすいんです。
とはいえ、0.5mmは目で見て分かる厚さではありません。残りが自分の目で判断できないなら、その時点でお店に見てもらうのが確実です。
自分でできる対処と鳴き止めスプレーの注意

音を止めたくて、ついスプレー缶に手が伸びそうになりますよね。ただ、ディスクブレーキは、効かせるための面に何かを足すほど、かえって止まらなくなる部品です。自分でできる範囲から確かめましょう。
止めた自転車で見る4つのポイント

道具がなくても、止めた自転車で見られることはけっこうあります。走った直後はローターもキャリパーも熱いので、少し時間をおいてから。
- 鳴る条件:前輪か後輪か、ブレーキをかけたときか、雨のあとか、交換や注油のあとか
- レバーの感触:いつもより深く入らないか、スポンジのような感触になっていないか
- 油のにじみ:キャリパーやレバーの周り、ホースの継ぎ目、ローターの面
- ローターとパッド:割れや目で分かる曲がりがないか、パッドの残りが見えるか
鳴る条件は、メモにしておくだけで前の章のどの場面に近いかがかなり絞れます。レバーの感触と油のにじみは、シマノの点検記事でも確かめる項目に挙がっているところ。感触がおかしいときは油圧の不具合のこともあるので、乗らずに相談です。
ローターの面は、指で触って確かめないこと。手の脂も汚れのもとになるからです。パッドの残りやローターの曲がりは、見える範囲で構いません。判断がつかなければ、そこがお店に頼む合図になります。
長い距離を走る前にも、この4つを見ておくと出先で困りにくくなりますよ。出発前の準備全体はロードバイクで100km走る前の準備の記事で取り上げています。
掃除はシマノとSRAMで指定が違う

汚れが原因なら、掃除をしたくなるところ。でも、ここでメーカーの違いが出てきます。シマノのユーザーマニュアルが指定しているのは、石けん水を使うか、空拭きをするかのどちらか。
一方のSRAMは、前は静かだったのに鳴り出したなら、ローターをイソプロピルアルコールで拭くよう案内しています。同じ「ディスクブレーキの掃除」でも、使うものがはっきり違うんですね。違いを並べると、こうなります。
| 項目 | シマノ(ユーザーマニュアル UM-0MX0B-000・UM-2RC0A-001) | SRAM(ロード・グラベル向けの案内) |
|---|---|---|
| 掃除のしかた | 石けん水を使うか、空拭き | 鳴り出したら、ローターをイソプロピルアルコールで拭く |
| 使わないよう書かれているもの | 市販のブレーキクリーナー、鳴き止め剤など。シンナーや強い溶剤も(UM-0MX0B-000) | この案内には記載なし |
| 慣らし | 前後それぞれ最低20回(UM-0MX0B-000)、最低10回(UM-2RC0A-001)。やり方もマニュアルごとに違う | 中くらいの速さから約20回、速い速度から約10回。そのあと冷ます |
| パッドの交換の目安 | 厚み0.5mm以下は使わない | 摩擦材と裏板の合計が3mm未満で交換 |
| ローターの交換の目安 | 厚み1.5mm以下は使わない(UM-2RC0A-001はアルミ面が出た場合も) | この案内には記載なし |
| 長く続く音や異常 | 販売店か代理店に相談 | パッドとローターを交換して慣らし直す |
出典:シマノ ユーザーマニュアル UM-0MX0B-000、シマノ ユーザーマニュアル UM-2RC0A-001、SRAM「Disc Brake Troubleshooting」をもとに作成(2026年10月31日確認)。ほかの機種やメーカーは、それぞれのマニュアルで確かめてください。
大事なのは、どちらが正しいかではなく、自分のブレーキのマニュアルに合わせること。キャリパーやレバーに刻まれたメーカー名と型番を見てから、掃除の方法を決めます。マニュアルが見つからない、型番が読めない、というときは掃除に手を出さず、お店に聞くほうが確実ですね。
掃除のためにパッドを外す作業は、油圧のピストンの扱いやパッドスペーサーの差し込みも絡んできます。ローターの表面を拭くところまでにとどめ、パッドの取り外しに自信がなければ、そこから先はお店に任せましょう。
鳴き止めスプレーやパーツクリーナーは使っていい?

鳴き止めスプレーや市販のブレーキクリーナーは、少なくともシマノのブレーキでは使わないほうがいいです。シマノのユーザーマニュアルには「市販のブレーキクリーナーまたは鳴き止め剤などは使用しないでください。」と、はっきり書かれています。
ディスクブレーキ用をうたうクリーナーも売られていますが、マニュアルはそこを区別していません。SRAMのブレーキでも、案内にあるのはイソプロピルアルコールでローターを拭く方法です。マニュアルに書かれていないものは、摩擦面に吹かない。これがいちばん失敗のない線引きだと思います。
実際、2011年とかなり古いYahoo!知恵袋のMTBの質問には、シリコングリスで音は消えたものの、効きが落ちたという書き込みがありました。ロードバイクとは車種も年代も違いますが、音を消す代わりに止まる力を手放す、という構図は同じです。
パッドをやすりで削る、バーナーで焼く、といったやり方を紹介している記事もあります。ただ、どれもメーカーのマニュアルにある手順ではありません。効きに関わる部品を自己流で加工するのはやめておくのが無難で、油を吸ったパッドなら交換を前提に考えたほうがすっきりします。
お店に任せる目安とパッド・ローター交換

見て、拭いて、慣らしても静かにならないときや、効きがどこかおかしいときは、部品を外したり位置を合わせたりする作業になります。ここから先は、お店に任せる目安と交換の時期を見ていきましょう。
パッド・ローターの交換時期とお店に任せる作業

原因が分からないまま鳴り続けるなら、自分の手で直すより、原因を見つけてもらうほうが早くて確実。シマノのマニュアルにも、マニュアルに書かれていない取付けや調整、交換は、買った販売店か代理店に相談するようにとあります。お店に任せたい作業は、たとえばこんなところです。
- キャリパーの位置合わせ(固定ボルトを緩めて締め直し、決められたトルクで留める)
- ローターの曲がりの確認と修正、または交換
- パッドの交換と、交換したあとの慣らし
- ピストンの動きの確認や調整
- 油圧のエア抜きやオイル交換、ホースまわりの修理
- 機械式ブレーキの左右のすき間の調整
どれも、手順を1つ間違えると効きに直結する作業ばかり。キャリパーのボルトはメーカーが決めたトルクで締めるのが前提で、トルク管理の道具はロードバイク用トルクレンチの選び方で紹介しています。とはいえブレーキについては、ここから先はお店の仕事だと私は思っています。
交換の時期は、金属の擦れる音がしたときや、メーカーの基準の厚みに近づいたとき。擦れの原因がキャリパーの位置のずれなら、パッドを新しくしても音は残ります。油の汚れについては、SRAMは長く続く音にパッドとローターの両方の交換を案内しています。どこまで替えるかは、現物を見たお店と相談して決めましょう。
交換用の部品を自分で用意するなら、型番合わせが最初の関門です。パッドはキャリパーの型番ごとに合う形が決まっていて、ローターも直径と取り付け方式(センターロックか6本ボルトか)をそろえる必要があります。いま付いている部品の刻印か、買ったときの仕様表で確かめてから選ぶのが基本ですね。
材質で迷うこともあるかもしれません。パッドにはレジン(樹脂系)とメタル(金属系)があり、シマノのマニュアルでは、レジンはメタルより慣らしを多めに行うよう書かれています。迷ったら、いま付いているものと同じ型番・同じ材質。これがいちばん外しにくい選び方です。
新しいパッドに替えたら、慣らしからやり直しになります。お店に交換を頼んだときも、受け取るときに慣らしまで済んでいるかを聞いておけば、帰り道で慌てずに済みますよ。
パーツを探すなら、自転車専門の通販のワイズロードのオンラインストア
が、ブレーキパッドやローターを見比べやすいですよ。
Amazonでシマノのディスクブレーキパッドを探すときも、商品名に入っている型番が手元のパッドと同じかを必ず確かめてください。形が似ていても、型番が違えば付きません。
部品を持ち込んで交換を頼む場合、扱いはお店ごとに違います。持ち込みの部品を受けているか、工賃はいくらか。このふたつは先に聞いておくと、当日あわてずに済みます。
お店に伝えると話が早いこと
- 鳴りはじめた時期と、前輪か後輪か
- ブレーキをかけたときか、かけていないときか
- 雨のあとだけか、乾いていても鳴るか
- 最近やった作業(注油、洗車、輪行、パッド交換など)
- ブレーキのメーカーと型番(分かれば)
このメモがあるだけで、お店の人は原因の当たりをつけやすくなるはず。持ち込んだときに限って鳴らない、ということもあるので、スマホで音を録っておくのも手です。サイクルガジェットの書き手も、鳴きの様子を動画に残していました。
ディスクブレーキの音鳴りのよくある質問

ディスクブレーキの音鳴りは放っておけば消えますか?
雨や泥が原因なら、乾いて汚れが落ちると静かになることもあります。乾いたあとも鳴り続ける、効きが落ちている、金属の擦れる音がする、というときは放っておかずにお店で点検してもらってください。
鳴き止めスプレーを吹けば音は止まりますか?
シマノのユーザーマニュアルは、市販のブレーキクリーナーや鳴き止め剤を使わないよう書いています。SRAMの案内にあるのは、ローターをイソプロピルアルコールで拭く方法です。自分のブレーキのマニュアルにないものは、摩擦面に吹かないのが安全です。
慣らし運転は何回やればいいですか?
ブレーキの機種で違います。シマノのDi2のデュアルコントロールレバー(油圧ディスクブレーキタイプ)のマニュアルは前後それぞれ最低20回、油圧式ディスクブレーキ(シマノ低粘度オイル)のマニュアルは最低10回です。
SRAMのロード・グラベル向けの案内は、約20回と約10回の2段階になっています。回数もやり方も違うので、自分のブレーキのマニュアルに合わせてください。
パッドだけ交換すれば音鳴りは直りますか?
原因によります。パッドの摩耗なら交換が答えですが、キャリパーの位置のずれが原因なら、パッドを新しくしても擦れる音は残ります。油の汚れについては、SRAMはパッドとローターの両方の交換を案内しています。原因が分からないなら、交換の前にお店で見てもらうのが確実です。
まとめ:ロードバイクのディスクブレーキ音鳴りは効きで判断

ロードバイクのディスクブレーキの音鳴りは、主に汚れ、慣らし不足、摩耗、ずれの4つから起きます。雨のあとだけ鳴って乾くと消えるなら様子を見てもいいこともありますが、効きが落ちているなら、音の大小に関係なく乗るのをやめましょう。
自分でできるのは、鳴る条件のメモ、レバーの感触と油のにじみの確認、マニュアルどおりの掃除と慣らしまで。鳴き止めスプレーや市販のブレーキクリーナーは、シマノのマニュアルが使わないよう書いているので、手を出さないのが無難です。
原因が分からない、効きに不安がある、というときは分解せずにお店へ。パッドやローターの交換が必要なら、型番をそろえて用意すれば話がスムーズに進みます。静かで、ちゃんと止まるブレーキに戻して、また気持ちよく走りに行きましょう。
